まるまるのお散歩道

きまぐれ→2022.10.30~2022.12.2アメリカ滞在

【アメリカ国立公文書館で史料調査をしてみよう!】ワシントンD.C.編② ~史料請求をしてみよう~ 

※こちらの記事は、ワシントンD.C.ペンシルベニア通りに位置する通称アーカイブⅠで史料調査する方向けです。

※2022年11月11日時点での情報です。最新情報は下記の公式HPをご覧ください。

公式HP

The National Archives in Washington, DC | National Archives

 

史料請求してみよう

 今回は史料請求についてです。

 持ち物は、

  ①欲しい資料の情報

  ②リサーチカード(申請するときに番号が必要です)

 

 海外からの調査者はアーカイブⅡに行くことが多いそうなので、アーカイブⅡに関する日本語のブログや書籍などは結構みかけますが、アーカイブⅠの方は少々情報が少なめ。ほとんどアーカイブⅡと手順やルールは同じですが、大きく違うところがあるとすれば、申請用紙(Reference Service Slip)の提出先がアーキビストさんだということです。

 

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申請用紙(Slip):複写紙になっている。伝票みたい。

 

 では、早速アーキビストさんのいるConsultation Roomに行ってみましょう。真ん中の受付から見て右前にあるドアを開けたところにあります。大きく金字でConsultationと書いてあるのですぐわかるはずです。

 

 入ると本棚と大きな机が並んでいる部屋がありその奥にアーキビストさんたちのデスクが並んでいる部屋があります。アーキビストさんのいる部屋にはアーキビストさんの許可なく入ってはいけないので、外から声をかけるかして呼びましょう。というか呼ばなくてもすぐにアーキビストさんが声をかけてくれるので大丈夫かと思います。時間帯に依っては受付の人がいるときもあります。月曜の朝一とかはちょっと混んでたりしますが、そういうときは順番を待ちます。

 なんにせよ、まずは最初に声をかけてくれた人に自分の探している史料の簡単な説明をします。そうするとその史料に一番その日いる中で一番詳しそうな人ともう一人来てくれて計二人で対応してくれます。

 

 ここでもう一度史料の説明をします。私は全く英語に自信がないというか話せないので、コミュニケーションしながら自分の欲しい史料を探すというやり方ができません。(情けない涙)ですので、事前に日本でほしい史料をNARAのカタログサーチで探して、ピックアップしてまとめていました。これは本当にやっておいてよかったと思います。

 

 NARAのカタログサーチ:

catalog.archives.gov

 

 私は欲しい史料のページのURLをコピーしておいて、iPadで「この史料が欲しいんです」と見せていました。最低限あるといいと思う史料情報は史料の名前とNAIDと呼ばれる史料の番号です。これがあると、アーキビストさんのPCで史料の配架場所などすぐに調べることができます。ただ正直アーキビストさんにとっても史料の情報はたくさんあった方がいいので、やっぱりカタログサーチで史料のページを見せるのが一番楽です。あと間違いが少ないです。

 ほしい史料が何箱もあったりすると「関心のあるトピックは?」とか「いつの時代のが欲しい?」など聞かれて箱をピックアップしてくれます。希望がなかったりとりあえず全部見たいときは一番最初の箱から最大箱数ほしいといえばいいかと思います。こうやって史料相談をしながらアーキビストさんが申請用紙(みんなSlipって呼んでます)を埋めていってくれます。

 

 アーカイブⅠとアーカイブⅡの違いは、Slipに大体の情報を書き終えるとすぐにアーキビストさんが書庫に行って史料を確認してきてくれる点です。「ちょっとさがしてくるから待ってて」といわれるので待っていましょう。私はアーカイブⅠでは経験しなかったのですが、機密解除が必要な箱があったりしてすぐに閲覧できないときやほしいトピックのが見つからない、逆に多すぎて最大申請数を超えそう、といった時にはこの時点でアーキビストさんが教えてくれるのではないかと思います。こういうところはアーカイブⅠの方が面倒見がいいのかな?なんて思います。(アーカイブⅠは研究者向けというより一般人向けらしいのでそのせいかも)

 

 アーキビストさんが書庫から帰ってきて問題なく申請した史料が閲覧できるとわかると、Slipに必要事項と自分のサインをしてくれます。そのあと請求者の名前とリサーチカード番号、日付を書くように言われるので書いてアーキビストさんに提出すればこれで史料申請はおしまいです。親切なアーキビストさんだと「次に二階の閲覧室に行くんだよ~~」とか「準備するのに〇〇分ぐらいかかるからね」とか教えてくれたりします。

 

 申請した史料は二階の閲覧室で受け取ることになるので、次は準備をして閲覧室に行きます。でもその前にPCやスキャナーをロッカーにしまったままだと思うのでいったん取りに行きましょう。取りに行くものがなければそのまま二階の閲覧室へGOです。

 

 次回:ついに閲覧室へ!

 

【補足】二回目以降の史料申請について

 この後行く、閲覧室には申請用紙(Slip)が置いてあるので、二回目以降は自分で書いてもいいかもしれません。ただ、二回目以降も提出するのはやはりアーキビストさんですし、結局アーキビストさんが一度申請用紙を確認することになるので私は毎回アーキビストさんにSlipを書いてもらっていました。つまり、二回目以降も上に書いた手順でやっていました。私は一度に申請する資料が多くても2種類だったので、アーキビストさんもサッサっと書いてくれましたが、中には一気に10種類ぐらい(つまり10枚Slipが必要)頼んでいる調査者の方もおり、その方は毎度自分で書いておられるようでした。